家庭用電気マッサージ器“要注意” 強く圧迫され、骨折や脊髄損傷も…

 家庭用電気マッサージ器を使用中に、体を強く圧迫され、骨折や脊髄を損傷したケースが国民生活センターに寄せられている。同センターは「さらに増える傾向がある」と注意を呼びかけている。特に骨がもろくなっている骨粗鬆(こつそしょう)症の高齢者や、皮膚炎を患っている人の使用は、事故につながる可能性があるため注意が必要だ。(平沢裕子)

 ◆けが相談7割女性

 国民生活センターによると、家庭用電気マッサージ器を使用中のけがの相談は、平成22年4月~27年11月の約5年半に計253件寄せられた。けがをした人の6割が60歳以上で、女性が全体の7割を占めた。

 機器別の内訳は、マッサージチェアが83件と最多。中にはアームに挟まれて肋骨(ろっこつ)を折ったケースもあった。足用マッサージ器で足が腫れ上がるなどしたケースが49件、ベッド型マッサージ器も22件と多かった。1カ月以上の治療が必要と診断された事例は38件で、うち神経・脊髄の損傷が10件、足首や腰、肩などの骨折が6件、擦り傷・打撲が5件だった。

 展示販売中の機器を試したり、宿泊・温泉施設の機器を使ったりして負傷したという相談も46件あった。

 ◆病気でも2割使用

 電気マッサージ器の多くは、医薬品医療機器法の規制対象となる家庭用管理医療機器だ。薬機法では、販売業者が消費者に対し、機器の適正な使用法に関する情報提供を行うことを努力義務としている。提供する情報として、禁止事項は大事な項目だ。日本ホームヘルス機器協会は、病状が悪化する恐れのある血栓症や動脈瘤(りゅう)、静脈瘤、皮膚炎などの人の使用を禁じている。また、がん▽心臓病▽糖尿病などによる知覚障害▽骨粗鬆症-などの病気や妊娠初期の人の使用は、医師に相談が必要としている。

 しかし、同センターが昨年、マッサージ器の購入者や店頭での体験者など1千人を対象に実施した調査では、半数が購入時や体験時に「禁止の病気があるなどの説明がなかった」と回答。使用が禁止されていたり、医師の判断が必要だったりする病気があったのに使用した人も約2割いた。

 こうした状況を受け同センターは、使用上の注意点を消費者に十分、説明するよう業界団体に要望した。

 ◆自覚ない骨粗鬆症

 高齢者に多い骨粗鬆症や動脈瘤などの病気は、徐々に進行し、自覚症状がないため気づかない人も多い。国内の患者数が約1300万人と推計される骨粗鬆症は、実際に治療を受けている人が2割前後にとどまるという。同センターにも、骨粗鬆症と自覚していなかった80代の女性が、肩掛け式のマッサージ器を使用中に、肩と胸を骨折した例が報告されている。

 原宿リハビリテーション病院(東京都渋谷区)の林泰史名誉院長(整形外科学、老年病学)は「最近のマッサージ器には、強く圧迫したり骨を挟んだりするものがあり、骨粗鬆症と知らずに使うと危害が生じる恐れがある」と指摘する。

 骨粗鬆症かどうかを自分でチェックする目安として、(1)4センチ以上身長が縮んだ(2)壁に背中を当てて立った際に背中が前屈みになって頭の後ろが壁に付かない(3)肋骨の下端と骨盤の前の骨との間に指2本が入らない-などがある。林名誉院長は「一つでも当てはまったら骨粗鬆症の可能性があるので、マッサージ器は使わないで」と話している。

 ■年間195万台出荷、増加傾向

 厚生労働省によると、家庭用電気マッサージ器の平成25年の出荷台数は195万台で、過去4年間、増加し続けている。

 全身用の「マッサージチェア」や「ベッド型マッサージ器」、太ももからふくらはぎなどをもみほぐす「足用マッサージ器」などさまざまな種類がある。

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